相続について

どうすればいい??株式の相続!

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株式を相続する流れ

 

1. 遺言書の有無と内容を確認する

遺言書が存在する場合は、基本的には、遺言書で指定されたとおりに相続することになります。基本的には、遺言自体も相続人、家族間で事前に合意を得て、共有されているものであるのが、一番良いパターンです。

そうでない場合は、遺言の有無と内容を確認しましょう。

確認した時点で、内容に対し、納得が出来ない場合は遺留分減殺請求などの対応がございますが、弁護士など専門家に相談しましょう!

 

2. 相続人の調査を行う  

遺言書が無い場合は、法定相続人が遺産を相続することになります。

自分が相続人でなければ、その後の手続き、流れは全く関係がなくなるので、まず、相続人を確定させるために、誰が相続人なのか確認しましょう

ほとんどの場合は、調査をしなくても親族関係を把握しているでしょうが、中には、相続人調査によって認知した子がいたことが発覚することも稀にあります。また、相続が第三順位までいくなど、相続人多数の場合は、かなりの数の戸籍謄本を取得しなければならないケースもあります。

相続人調査は、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、除籍謄本および改製原戸籍を収集して行います。

仕事をしていて時間がない人も多いでしょう。今住んでいるところから、遠方の場合も大変です。大変な場合は、信託銀行、銀行の相続部門、専門家に委託するのが良いでしょう!

 

3. 株式を含めた相続財産の調査を行う

株式を相続するためには、相続財産中の株式を把握しなければなりません。

普通は、株式だけを相続するわけではないと思いますので、全ての相続財産についての調査を行う過程で、株式についても調査します。

インターネットで取引している場合は、メールやインターネットブラウザの「お気に入り」や「閲覧履歴等」から株式の取引を行っていた証券会社等が分かることもあります。

取引をしていた証券会社が分かれば、取引報告書を確認することで、保有する株式の種類や株数が分かります。ネットで書類が見つからない場合、被相続人が保有していた株券の発行会社が分かっている場合は、株式発行会社に株主名簿管理人となっている信託銀行を確認しましょう。株主名簿管理人となっている信託銀行が分かれば、そこに問い合わせることで、被相続人の口座の詳細が知ることができます。電子化される前の紙の株券が見つかった場合も、株券発行会社に株主名簿管理人となっている信託銀行に問い合わせましょう。

どこの会社の株式を保有していたかも分からない場合は、証券保管振替機構(通称「ほふり」)に登録済加入者情報の開示を請求しましょう!被相続人が上場株式を保有していた場合は、証券保管振替機構に加入者として登録されています。登録済加入者情報を確認すれば、被相続人が口座を開設していた証券会社や信託銀行が分かります。登録済加入者情報の開示請求について詳しくは、証券保管振替機構の登録済加入者情報のページを参照頂ければ確認できます。

 

4.非上場株式の調査方法
非上場株式とは、上場していない株式のことです。
会社の要職に就いていた場合はその会社の株式を保有している可能性があります。
上場している場合は、証券会社経由で、誰でも株式を取得することができますが、非上場の場合は、基本的には、株券発行会社から新株の割り当てを受けるか、株主から直接譲り受けるくらいしか取得する方法がありません。

要するに、非上場株式は、発行会社やその株主とコネクションがないと取得できないの株式なのです。

被相続人が会社の要職に就いていた場合は、その会社の株式を保有している可能性が高いと考えられるため、会社に問い合わせてみましょう。

 

非常上場株式の売渡請求について

「売渡請求」

会社が被相続人の死亡を知って、相続人に対して株式の売渡請求することで、被相続人が非上場株式を保有していたことを相続人が知ることもあります。
非上場株式には譲渡制限が課されていることが多いですが、会社は譲渡制限株式を相続した人に対してその売渡しを請求することができるのです。株主の請求に応じて会社側では取締役会を開き、株式等売渡請求の実行を承認し、他の株主に株式売渡請求を承認した旨を通知します。

非公開会社は、事前、事後に、定款に定めることにより、株主総会の特別決議に基づいて、相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を会社に売り渡すことを請求し、これを取得することができます。定款変更の時期については、会社法上制限がないことから相続等の一般承継が生じた後からでも可能と解されています。

売渡請求を受けた相続人は、これを拒むことはできません。

売買価格は、原則として相続人と会社の間の協議によって定められますが、協議がまとまらない場合は、裁判所に売買価格決定の申立てを行い、最終的には裁判所により決定されることになります(裁判所に決定してもらう際は、売渡請求から20日以内に申し立てする必要があります)。

 

「売渡請求の制度概要」
この制度は、相続人の間で事業承継の際に株式が分散する事態を防ぐ目的で制定されました。事業承継の際に株式が分散すると、事業承継後の経営が円滑に進まなくなる恐れがあります。各相続人に売渡請求を行えば、強制的に後継者に株式を集中させる事が可能です。円滑に事業承継を実施する上で、相続人への売渡請求は不可欠な手続きと言えます。

 

「相続人等に対する株式の売渡請求の条件」
相続人等に対する株式の売渡請求には、いくつかの条件があります。

 

1.相続の事実を知ってから一年以内に請求すること

一年を過ぎると、株式の売渡請求を実行できない為注意が必要です。

 

2.分配可能利益の範囲内で株式買取を実行すること

分配可能利益は、その他資本剰余金とその他利益剰余金の合計となります。このような規定がある為、株式の売渡請求の実施にはある程度の資金力が必要となります。

 

3.売渡請求の対象は譲渡制限株式であること

譲渡制限株式とは、株式譲渡の際に会社側の合意が必要となる株式です。ほとんどの中小企業は譲渡制限株式となる為、この点は、ほぼ心配ありません。

 

特別支配株主による株式等売渡請求(会社法第179条)

株式会社の総株主の議決権の90%以上を有する株主は、他の株主に対し、保有する会社株式の全部を自己に売り渡すことを請求することができるものです。

この方法を採るためには経営者が単独で90%以上の株式(議決権)を保有している必要があるものの、この要件を満たす場合には、経営の安定化の観点から有用な手法であると言えます。

 

非上場株式の売却、税金について

非上場株式を相続した個人が、相続税の申告期限から3年以内に発行会社に相続株式を売却した場合(いわゆる金庫株の活用)、みなし配当課税(最高55.945%の累進課税)でなく、譲渡益全体について譲渡所得課税(20.42%)が適用される特例があります。

「譲渡益の計算方法」

株式を売却した金額-(取得費(株式の取得に要した金額)+売却に要した手数料等の経費)

非上場株式の取得費について(下記リンクをご参照ください)

国税庁ウェブサイトの「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」のページ

従業員持株会の持分や新株予約権

被相続人が従業員持株会に加入して持分をもっていた場合や、新株予約権(ストックオプション)をもっていた場合、原則としては、持株会の持分や新株予約権も相続することができます。

持株会の規定で死亡した場合は持分を買い取るとされていることが多く、その場合は、株式の持分そのものではなく、持株会による持分の買取代金を相続することになります。

また、新株予約権の場合は、新株予約権割当契約において、死亡した場合は権利を喪失し、相続できない旨が既定されている場合がほとんどですが、念のため、発行会社に確認しましょう。

 

相続を承認するか放棄するかを決める

相続財産の調査によって、相続財産の全容が明らかになると、実は、プラスの財産よりも借金等のマイナスの財産の方が多かったということが判明することもあります。

マイナスの財産、借金の方が多い場合に相続してしまうと、相続人は自腹を切って被相続人の借金を弁済しなければならなくなってしまいますが、相続放棄をすることによって、プラスの財産もマイナスの財産もどちらも相続しないことが可能となります。

 

準確定申告を行う

亡くなった人は自分で確定申告することができないので、亡くなった年の確定申告は代わりに相続人が行います。(納税義務がある方に限ります)

これを準確定申告といいます。

被相続人が株を持っている場合、亡くなった年に配当金があった可能性がありますし、取引をして譲渡益が生じている可能性もあります(ただし、特定口座などで既に納税済みの場合は必要ありません。証券会社を複数利用し、利益と損失等を相殺するのであれば、確定申告は必要となります)。また、株以外も含めて被相続人が亡くなった年に所得(雑所得等)がある場合は、準確定申告をしなければなりません。準確定申告は、相続開始(通常は被相続人の死亡)を知った日の翌日から4か月以内に行わなければなりません。あくまでも、納税義務がある方ですので、不安な方は専門家に相談しましょう!

 

相続人が複数いる場合は遺産分割を行う

相続人が複数の場合は、遺産分割を行います。株式は、相続財産ですので、遺産分割協議が済むまでは、相続人全員で共有している状態になります。共有保有状態では、自身の名義への書換(名義変更)をすることができません。

名義書換を行うためには、遺産分割協議を行い、誰がどの株式をどれだけ相続するかを決めなければなりません。

また、協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成しなければなりません。

遺産分割は、相続税の申告・納付の期限までには済ませておいた方が良いため、なるべく早く纏めた方が良いでしょう。相続税の申告・納付の期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から、10か月以内です。

相続税の申告・納付の期限までに遺産分割が済まなかった場合は、法定相続分に応じて相続したとみなして、相続分の申告・納付を行わなければなりません。

その後、法定相続分と異なる割合で遺産分割が行われた場合は、相続税の修正申告や更正請求をすることになるでしょう。

これらの手続きには手間がかかるので、できるだけ、相続税の期限までには、遺産分割を決着させるとよいでしょう。

 

株式の名義書換(名義変更)を行う

株式の名義書換は、上場株式の場合は証券会社や信託銀行に、非上場株式の場合は株式発行会社に届出を行います。名義書換には、大体2~3週間くらいかかることが多いです。

必要な書類は状況によって異なるため、次の4つの状況ごとに分けて説明します。

  •  遺言書がある場合
  •  相続人が一人しかいない場合
  •  遺産分割協議による分割の場合
  •  調停または審判による分割の場合

1.遺言書がある場合

遺言書がある場合は次の書類が必要です。

  •  被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本もしくは除籍謄本または死亡証明書
  •  株式を取得する人の印鑑登録証明書(遺言執行者が就任している場合は遺言執行者の印鑑登録証明書)
  •  遺言書の写し
  •  検認証書の写し(公正証書遺言の場合は不要)
  •  証券会社の所定書類(株式名義書換請求書や株主票など)

2.相続人が一人しかいない場合

相続人が一人しかいない場合は次の書類が必要です。

  •  被相続人の出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本
  •  相続人の戸籍謄本
  •  相続人の印鑑登録証明書
  •  証券会社の所定書類(株式名義書換請求書や株主票など)

3.遺産分割協議による分割の場合

遺産分割協議による分割の場合は次の書類が必要です。

  •  被相続人の出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本
  •  相続人全員の戸籍謄本
  •  遺産分割協議書の写し
  •  相続人全員の印鑑登録証明書
  •  証券会社の所定書類(株式名義書換請求書や株主票など)

4.調停または審判による分割の場合

調停または審判による場合は次の書類が必要です。

  •  調停調書謄本または審判書謄本、およびその確定証明書の写し
  •  株式を取得する人の印鑑登録証明書
  •  証券会社の所定書類(株式名義書換請求書や株主票など)

相続した株式に名義書換期限(手続き期間)はある?

相続した株式をいつまでに名義書換しなければならないという期限は設けられていません。

しかし、早めに名義書換をしなければ、自身が売却したいタイミングで、株式を売却して現金化することができません。

名義書換の手続きには3週間ほどかかるので、売りたくなってから名義書換の手続きを始めると、売り時を逃す可能性があります。また手続き中に、株価が暴落すれば、売却の時期によっては損をする可能性も出てきます。

 

相続税がかかる場合は相続税の申告と納付を行う

1.相続税がかかる場合

基礎控除を超える価額の相続財産がある場合には、相続税がかかります。

相続税の基礎控除額は、次の式で計算します。

3000万円+600万円×法定相続人の数

例えば、法定相続人が3人の場合の基礎控除額は4800万円です。

2.相続株式の評価方法

相続株式の評価方法は、上場株式か非上場株式かによって異なります。

上場株式の評価方法

上場株式の評価は、原則として終値によって行います。

終値とは、大引けでついたその日の株価の終値のことです。

次の4つのうち、最も低い株価で評価します。

  •  相続開始日(通常は被相続人の死亡日)の終値
    ※相続開始日が取引所の営業日ではなかった場合は、前後で最も近い日の終値
    前後が同じ近さの場合は、その平均
  •  相続開始日の当月のすべての営業日の終値の平均
  •  相続開始日の前月のすべての営業日の終値の平均
  •  相続開始日の前々月のすべての営業日の終値の平均

これらの終値(および終値の平均)は、被相続人が取引を行っていた証券会社の発行する残高証明書等で確認することができます。

相続した上場株式を売却して現金化するには?

相続した上場株式を売却して現金化する場合、次の2つの方法があります。

  •  各相続人に名義書換し、各々が好きな時に売却する。
  •  代表相続人に名義書換し、代表相続人が売却した後、現金を相続分に応じて按分する。

非上場株式の評価方法

非上場株式の評価方法は、経営権を支配する場合と支配しない場合によって異なります。経営権を支配する場合は、さらに会社の規模によって異なります。

大会社の場合は、類似業種比準方式といって、事業内容が類似する複数の上場会社の株価の平均値等の各種数値を基準に計算されます。

小会社の場合は、純資産価額方式といって、相続開始日に会社を清算したと仮定して株主一人当たりの分配額で計算されます。

具体的には、会社の総資産や負債を、原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から負債等の金額を差し引いた残りの金額により評価します。

中会社の場合は、併用方式といって、類似業種比準方式で計算した株価と純資産価額方式で計算した株価を一定割合で計算します。

経営権を支配しない場合は、配当還元方式といって、次の式で計算されます。

(年間配当額/10%)×(1株当たりの資本金等の額/50円)

実際のケースに当てはめてどの方式を適用すべかといった判断や、各方式による具体的な計算方式については、税理士に相談した方がよいでしょう。。

 

株式を譲渡して譲渡益が生じた場合は確定申告を行う

株式を売却して現金化すると譲渡所得が生じることがあります。

譲渡所得には所得税等の税金がかかります。

上場株式を源泉徴収ありの特定口座で売却した場合は確定申告の必要はありませんが、上場株式を一般口座や源泉徴収なしの特定口座で売却した場合や、非上場株式を相対取引で売却した場合等に譲渡所得が生じたときは確定申告を行う必要があります。

譲渡所得は次の式で計算することができます。

株式を売却した金額-(取得費(株式の取得に要した金額)+売却に要した手数料等の経費)

株式を取得した金額というのは、被相続人が取得した金額のことです。

譲渡所得には、20.315%の税金がかかります(内訳:所得税15%、住民税5%、特別復興所得税0.315%)。

なお、株式を相続した際に相続税を納付している場合は、相続税と所得税等の二重課税になってしまうように思われます。

この点、二重課税にならないように特例が設けられています。

相続によって取得した株式を相続開始の翌日から3年10か月以内に売却した場合には、譲渡所得の計算時に、相続税額のうち一定の金額を取得費に加算することができます。

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