相続について

遺産協議、遺産協議書の注意点!気をつけること!

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遺産協議、遺産協議書の注意点!気をつけること!

<遺産分割協議の大まかな流れ>

1.相続人の確認
2.遺産の範囲の確認
3.遺産の評価
4.各相続人の相続分の確認
5.各財産の分割方法の調整
6.遺産分割協議書の作成
7.合意後の処理

1.遺産分割協議には全員が参加しなければならない

遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があります。相続人が一人でも加わらずに話し合われた協議は、やり直すことになる可能性があります。

(1)全相続人をしっかりと調査すること

相続人を確定させることは遺産分割協議を行ううえでの大前提となる箇所です。後で、実は〇〇〇も相続人だったとなると遺産分割は無効となります。(民法909条)

遺産分割協議は、相続人全員の参加によってなされなければ無効となります。このため、まず当事者となるべき相続人を確認、確定することが必要です。具体的には、被相続人の戸籍を調査するなどして相続人の範囲を確認していきます。

遺産分割が無効となれば、再度の遺産分割協議が必要になってくる為、このポイントは必ず押さえておかなければなりません。また、戸籍上は相続人となるべき者であっても、有効な相続放棄をした相続人は相続権を失いますので、相続放棄の有無についても確認が必要です。

(2)遠方に住む相続人がいる場合

遠方に住んでいる相続人がいる場合、相続人全員が集まって話し合うことが難しい場合がありますが、遺産分割協議は相続人全員が同じ場所に集合して、必ずしも面と向かって行う必要はありません。メールや電話などで行うことが出来ますたとえば、相続人のうちの1人が代表者として遺産の分割案を作成し、他の相続人にメールで提案するという方法も可能です。メールなどを用いる場合、どのようなやりとりが行われたのか、後から確認ができるよう、協議過程のメールを保存しておく方が良いと思います。

(3)相続人の中に未成年者や認知症の人がいる場合は代理人が必要

相続人の中に未成年者がいる場合、親権者(原則は両親)が未成年者の代わりに手続きをすることになります。しかし、未成年者に加えて、その親権者が相続人にあたる場合、双方の利害が対立することになるため、親権者が手続きを行うことができません。そのため、「特別代理人」の選任を家庭裁判所に申し立てる必要があります。

 

「現代は、仕事などで忙しく、なかなか話し合いをする時間や場所がないことも」

現代の生活では核家族化が進み、家族内でも遠方住まいのケースや、職場勤めで時間的都合がつけられず、日程調整などをするのが大変です。日程が決まったとしても1回の面会だけで、全て話が上手くまとまるものでもありません。

そのような中で、事前の下準備もかなり重要になってきます。

遺産分割協議に慣れている方でも手間が掛かりますので、はじめて参加する方、進行する方などは大変かも知れません。お互いが貴重な時間を惜しんで協議するわけですから、お互いの歩み寄りも必要になってきます。

 

2.遺産範囲の確認

なるべく早く相続財産を把握すること。タイムリミットは遅くとも3カ月!

「3か月」には2つの理由があります。

1.相続財産の状況によっては相続放棄判断をしなければならない。

2.相続税の申告期限までに遺族がやらなければならないことが沢山あり、他にもすべきことがあり、余裕を持って対応するため

相続は「不動産や預貯金がもらえる」というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、不動産や預貯金などのプラスの財産ばかりとは限りません。遺産相続により、相続人はローンや債務等のマイナスの財産、つまり借金なども受け継ぐことになります。マイナスの財産が大きい場合には相続人は相続を放棄することもでき、相続放棄は相続の発生を知った日から3か月以内に手続きをする必要があります。(具体的には、相続開始後3か月以内に家庭裁判所に「相続放棄」を申し立てます)。

相続放棄を判断するために財産の調査は3か月以内に終えておかなければならないのです。

「相続税の申告期限は10カ月」
相続税の申告期限は、相続開始日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10か月です。遺族はこの10か月の間に葬儀・法要、故人の物の片付けなどと並行して相続に関する手続きも進めなければなりません。相続人の間で遺産分割協議がもめることも珍しくなく、忙しくしてると10か月はすぐに来ます。

申告期限まで余裕をもって手続きを進めるために、相続財産の調査には早めにとりかかったほうが賢明です。

(死亡を知らなかった場合には知った日の翌日から10か月以内となります。納付期限も申告と同様、相続の開始を知った翌日から10か月以内です)

「プラスの財産、マイナスの財産の例」

財産、資産

1.土地 (宅地、農地、山林、借地権、貸借権、温泉権など)

2.建物( 自宅、倉庫、駐車場、借家権など)

3.金融資産 (現金、預貯金、国内外株式、公社債、投資信託など)

4.動産 (貴金属、高級車、書画骨とう品、絵画など)

5.無形財産(著作権、特許、商標権など)

負債

1.負債(ローン、借入金、未払金など)

※また、理論上は遺産分割の対象とならない財産であっても、当事者の合意によって遺産分割の対象に組み入れたいものがある場合には、この段階で取り決めておきます。

 

3.遺産の評価について

分割対象となった遺産について、金銭的な評価を実施します。

例えば、不動産ですが、不動産であれば、固定資産税評価額、相続税評価額、公示価額などを基に算定する方法や、不動産鑑定士に依頼して鑑定評価を行う方法があります。

有価証券(株式等)であれば、所定の方法がございます。分からないことがあれば、必ず専門家に確認しましょう!

(ご参考のサイト)

どうすればいい??株式の相続! Click title to change

 

4.「誰が」「どの遺産」を取得するのかを明確にする。
遺産分割協議書を作成する際に、不特定なことがあると相続登記が出来なくなる場合があります。不備の無いように作成しましょう!

「誰が遺産を相続するか(法定相続人は誰か)」「どのような遺産があるか」を確認できれば、具体的に遺産の分け方を決めていくことになります。遺産は、法律で定められた相続できる財産の割合(法定相続分)どおりに、綺麗に分けられればよいでしょうが、そうではないケースも少なくありません。相続人それぞれの法定相続分が明らかでも、「株は〇〇、土地は◯◯が相続して、預貯金は〇〇が相続する」といったように、どのように分けるかを相続人同士で話をし、擦り合わせる必要があります。

「誰が」
氏名を特定出来ますので、さほど問題にはなりません。

「どの財産を」
不動産:登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されている情報
(土地:所在、地番、地目、地積。建物の場合は、所在、地番、種類、構造、床面積)
預貯金:金融機関、支店名、口座番号
株式等の有価証券:銘柄コード、銘柄名等で特定
自動車:登録番号、車名、形式、車台番号等(車検証に記載されている情報)
宝石や貴金属:品名、製造者、型番、素材、サイズ、色等

「借金については相続人全員の負担であること」
借金などの債務は遺産分割の対象にならず、それぞれの法定相続分にしたがって、相続人が負担することになります。よって、協議の際にはしっかりその旨を周知すると良いでしょう。

相続人の間で債務の割合を決めることは可能ですが、第三者(貸主)には主張が出来ない点においては注意が必要です。協議内で定めた相続人間の負担割合は相続人間だけで有効となります。

「借金の一部または全部を相続」

プラスの財産で払える範囲のみ返済する「限定承認」や、プラスの財産も借金もそのまま相続する「単純承認」といった方法もあります。

「相続放棄は撤回できない」

「借金問題に巻き込まれたくない」と考えて、相続開始後すぐに相続放棄の手続きをするのは早計です。相続放棄は一度行うと撤回できません。

「相続放棄すると相続権が他の相続人に移る」

相続放棄すると、相続に関するすべての権利義務が他の相続人に移ります。同じ順位の相続人の相続分が増えたり、次の順位の親族が繰り上がりで相続人になるのです。借金の相続をめぐって自分一人の判断で勝手に相続放棄すれば、他の相続人との間でトラブルとなる可能性があるので注意です。

「遺産分割後に新たに相続財産が発見された場合による対処方法の記載」

遺産分割協議時に判明していなかった遺産が、分割後になって発見されるケースがあります。その際にどうするのかをあらかじめ決めておけば、後日の紛争を回避する事ができます。具体的には、「本協議書に記載のない遺産及び後日遺産が発見された場合は、当該遺産について相続人間で改めて協議し、分割を行うものとする。」と記載します。(もしくは、特定の相続人に相続させる旨を記載しても構いません。)

「借金を調べる方法」

返済が滞っていれば、返済の連絡が来ますので、それらを元に「どこからいくら借りているか」が判明します。それ以外にも、詳細に調べたい場合は、信用情報機関に情報開示を求めます。

銀行の借金なら「全国銀行個人信用情報センター」、消費者金融やクレジットカードの借金なら「CIC」「JICC」です。

 

5.遺産分割協議書の作成

分割の詳細が確定したら、相続人全員の署名・押印をする

遺産分割協議書の形式や書式に特に決まったルールはありません。

署名(直筆)ではなく記名(ワープロ打ちなど)でも無効とはなりませんが、トラブル防止のため、相続人の住所と氏名は、手書きのほうが良いでしょう。また押印は、実印を使用します。特に不動産の名義変更、銀行の口座の引継ぎ手続では、実印でないと手続ができないこともあります。

この遺産分割協議書は、対外的にだれが何を相続したのかを証明する重要な書類で、相続の実行に必要な書類となってきます。

遺産分割協議書は、手元に1通保有しておくこと

争いにならなければ問題ございませんが、遺産分割協議書を作成する通数については、相続人の人数分を作成して、相続人全員が、各自原本1通、相続人全員分の印鑑証明書1通ずつを保管しておくのが一般的です。なぜなら、遺産分割協議書に書かれている内容を、実行しない相続人が出た場合、対抗するためには、遺産分割協議書の原本が必要です。トラブルになり、手元に遺産分割協議書の原本がなければ、水掛け論になってしまう可能性もあります。

遺産分割協議書は、署名した全員の印鑑証明書が添付されて完成となるため、全員分の印鑑証明書の原本も必要です。

「専門家に依頼することも視野に」

相続人だけで協議を進めようとしている方にも、相続のプロに一任するということは視野に入れておいても良いかも知れません。第三者の専門家を挟むことによって、互いの意見を取り交わしし易くなるほか、後の紛争防止の意味合いでもその効果は大きいものです。時間的にも余裕が出来ますし、不備がなくスムーズな協議を行えるでしょう。

「遺産分割協議がまとまらない場合」

人それぞれ価値観や考え方が違うこともあり、上記のポイントを踏まえたうえで話し合ったとしても遺産分割協議が難航する場合があります。そんなときは裁判所に遺産分割調停を申し立てることも視野に入れなければならないでしょう。

「協議成立後の注意点」

遺産分割協議の成立後は、原則として再度の遺産分割協議は出来ません。一度決まった相続財産の内容をいつでも変えられてしまうとなると、法的な安定性に欠ける為です。ただし、無効、取り消しの原因となる正当な理由があれば、一部または全部をやり直すことができます。

5.相続した権利関係の実行

不動産の名義変更や未払いの支払いなど、遺産分割協議書内の権利関係を実現する手続きを実施します。

最後に、協議ごとは何でもそうですが、遺産分割協議も「人」と「人」とで行うものです。

相続人それぞれの実情に合わせて柔軟に話し合って決めることが大切です。

また、心配や不安なことがあれば、専門家に相談しましょう!

 

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